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【事業開発担当者は必見!】新規事業開発にはなぜUXデザインが重要なのか

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1990年代以降、インターネットが勃興してから30年余りが経過した昨今、人々の生活は急速にIT化が進む中で、ビジネスシーンにおいても「AI」や「DX」のようなキーワードが一般的になり、今や「Web3」や「DAO」といった次世代の技術も急速に拡大を見せています。

本記事では、このような目まぐるしく進化する現代社会の中で重要となっている、「新規事業の開発」のプロセスについて、ユーザー起点でサービスを考えるUXの観点の重要性を交えて解説をします。

目次

事業開発とは

事業開発とは、新規事業を立ち上げ、それを軌道に乗せ、何もないところから新たな価値を生み出すフェーズを推進する役割を担います。新規事業の企画からそれが軌道に乗るまでを担う仕事であるため、カバーすべき範囲が後半で、関わるステークホルダーも多くなりがちです。そのような複雑なシチュエーションでも事業を成功にまで持っていくことのできる、しなやかなビジネススキルが求められます。

スタートアップフェーズのベンチャー企業では会社そのものが立ち上げの状態になる一方、すでに主要事業が確立されている大企業は、社内で新事業開発や新規事業専門の部署が設置される事も多くなっています。

※ 事業企画との違い事業開発と間違われる概念として「事業企画」があります。

事業企画は、事業開発フェーズを経て立ち上がった事業を1→10に発展させる役割のことを指します。したがって、事業開発が新規で事業を企画し立ち上げるフェーズであり、事業企画はその後から発展までのフェーズにあたります。

UXとは

UXとは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略でユーザーが購買サービスの利用を通じて得る体験全体のことを意味します。

とりわけITサービスの画面の美しさや使いやすさなどの利用体験だけに焦点を当てて語られることが多いですが、実際はオンライン / オフライン問わずユーザーが得る体験についてはその全てを指します。

新規事業開発のプロセス

新規事業開発は、立ち上げからサービスリリース後まで大きく分けて3つのフェーズに分けて考えることができます。

事業構想フェーズ

どのようなビジネスモデル、サービスの仕立てがニーズを捉えて顧客に価値を提供できるかを検討し、議論します。実際にこの構想段階ではマーケットのスケーラビリティ(=拡張性)を精査し、撤退をするか予算を投資するかなどの判断を行います。

開発・改善フェーズ

実際に構想したサービスをミニマルな形で設計・開発します。その上で、限定のユーザーテストなどを実施し実際に顧客の声を聞くことで改善点を洗い出し、マーケットのニーズにフィットするサービスへと磨き込んでいきます。

運用・エンハンスフェーズ

実際にサービスをリリースしたのちに、システム観点での保守・運用をおこないます。いざユーザーの目や手に触れると様々なフィードバックをもらうことができるのでそれに基づいて引き続き機能のエンハンスなどを行います。

立ち上げからサービスリリース後までの3つのフェーズ

新規事業開発においてUXの重要性が注目される理由

新規事業開発においては主に以下の2つの観点でUXを重視することが大きな意味を持つと考えられます。

リリース前やリリース直後のPMFを支援する

PMFとは?

PMF(Product Market Fit)とは、リリースしたプロダクトやサービスが、マーケット(消費者・顧客)に受け入れられて継続的にそのニーズを満たす状態のことを指します。

新規事業開発においては、このPMFを達成することが、事業の立ち上げの第一歩となります。

プロダクトがマーケットに適合していることを示す指標

PMFが成功しているのか失敗しているのかを判断する指標として重要なものに、口コミやNPS(Net Promoter Score)が挙げられます。これらの評価が継続的に高い状態であることは、顧客に満足して利用してもらっているサービスであることを示すので、PMFを目指す段階の事業においては特に重要視すべき指標となっています。

NPSや口コミの評価を向上するためにはUXこそが大きな要素となる

そしてこれらの指標の改善に大きく寄与するのがUXの効果になります。顧客がサービスに触れる中で自然と以下のような体験をすることで、サービス利用満足度は格段に上がっていくことになります。

  • 「サイト上で、欲しいと思っていた情報がすぐに見つかった」

  • 「ボタンやテキストサイズが適切で見やすかった」

  • 「申し込みや購入までの手順に迷いがなかった」

リリース後の競争優位性 / 模倣困難性を担保する

現代のITサービスはUXこそが競争優位性になる

現代の目まぐるしく変動するITサービスの市場においては、新規サービスはすぐに模倣されマーケティングの手法の優位性によってその先行したポジションを奪われる危険性が常に存在しています。
そのような中で、ユーザーの「使いやすい」「わかりやすい」という感情や印象は、他サービスへ離脱することなく自社サービスを使い続けてもらうための非常に大きな要素となります。

特定のマーケットで優位な位置を築くことができる

新規で市場を開拓した中でも、追随するプロダクトをはねのけて市場で圧倒的な地位を築くことができれば、その市場を独占しさらに新たな可能性のあるチャレンジをすることができる好循環に入ります。さらにどの競争相手にもマネすることのできないポジションを確立することが可能になり、事業全体の継続的な成功へとつながっていきます。

UXを重視するメリット / 効果

実際に、ITサービスにおける「UXが良い(=顧客の体験が良い)」事例は日々のあらゆる場面において自身でも気づかないうちに感じています。

では、上記のような優れたUXを実現することでどのようなメリットが得られるのでしょうか?一般的にはユーザーが以下のようなSTEPをたどることでビジネスにおける成果があげられると考えられています。

  • サービスに触れる

    様々なユーザーが、日々の行動の中で多様なサービス / Webサイトに触れる

  • よりよい体験を実感する

    サイトの使いやすさや欲しい情報のわかりやすさを感じ、より良い体験を積み上げる

  • UXを起点に他ユーザーへ拡がる

    ユーザーへのよりよい顧客体験を提供し続けた結果、満足度が向上し高い評判や口コミが集まる

  • 競争優位性が構築される

    アーリーアダプターの獲得や、模倣されにくい顧客価値の提供により継続的かつ効率的なユーザー獲得が可能になる

新規事業開発を推進するにあたっての注意点

※「リーンスタートアップ」について

リーンスタートアップとは、予算を最低限に、必要最小限のサービスや機能を持ったプロトタイプを構築し、顧客の声を取り入れて、より満足度の高いサービスを開発していくマネジメント手法のことを指します。

現代のスタートアップ企業や事業開発がお手本とするマネジメントのやり方であり、多くの成功例を生み出しています。

このリーンスタートアップのようなプロジェクト推進とは反対に、以下のような新規事業開発を進めてしまう例が散見されます。

  • 顧客の声を聞かない

  • 構想や理想の議論ばかりでプロダクトの改善を行わない

  • 改善施策をうっても振り返りを行わない

ただ新たなビジネスアイデアが浮かんだからといって、現実にしようとするのではなく、本当に顧客が解決してほしい課題を特定した上で求められる事業を構想しプロダクトやサービスとして形にしていくことが求められます。

リーンスタートアップは、需要につながらないサービスをただの思い込みから開発してしまう際に発生する「ムダ」を省くためのマネジメント手法だといわれており、こう言った観点からも上記のような失敗につながる推進は避けるべきだと考えられます。

UXを重視した事業開発の成功事例

株式会社ディー・エヌ・エーでは顧客のUXを重視した新規事業の創出が行われています。

次世代型与信サービス「Rerep(リリップ)」は、利用者の日々の行動に応じてカードローンの金利負担を低減する与信サービスです。年齢や年収などのステータスではなく、利用者がサービス上のミッションを日々クリアしていくことによって、後から信用スコアを積み上げます。そのスコアに基づいてキャッシュバックを受けることで、利用者の金利負担が低減されます。

従来の与信にまつわるサービスは、踏むべき手続きも多くまた旧来の役所的な判断で金利や与信枠が決められていました。しかし、真にユーザーが必要としている与信サービスを追求した結果、このようなカスタマイズ性が高く顧客満足度も高い、次世代的な与信サービスを生み出すことができました。

*出典*

デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2020(経済産業省 / 株式会社東京証券取引所)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/keiei_meigara/report2020.pdf#p=39

UXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには

自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。

まずは、真にユーザーに選ばれるサービスの立ち上げや業務全体の刷新によるビジネスモデルのアップデートのためには、ユーザーの体験価値を重視したプロジェクト推進をおこなうことが必須だと理解することが何よりも求められています。

  • 社内 / プロジェクト内のUX人材育成

    社内においては実際にプロダクトのUXデザイン・ディレクションをおこなう人材が不足している場合はどうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機械創出が求められます。

  • 組織全体のUXの重要性の啓蒙

    社内やプロジェクト内においてUXが軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。

  • 改善施策をうっても振り返りを行わない

結論 / まとめ

あらゆるナレッジが共有され、時代の変化のスピードも早い昨今では、一見すると新規事業の参入余地は広く、成功しやすいとも思われがちですが、実際は事業開発フェーズを経て一人前の事業が出来上がることは稀です。

だからこそ、まずはその確実性を上げるためにも、サービスを使ってくれるユーザーのことを一番に理解しそのニーズに対して提供できる価値を考えていくことが大事になります。

まずは、真にユーザーに選ばれるサービスの立ち上げのために、徹底的に顧客目線に立ってプロジェクトを俯瞰し本当に必要なものだけにフォーカスすることが求められています。

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