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【UX初心者は必見!】UXデザインにおける5段階モデルについて解説

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昨今、IT業界のテクノロジーの進化により我々の生活は様々な変化を遂げています。特に最近では、SNSの発達が目覚ましいなか、未曾有のコロナ禍の影響もあいまって、人々の日々の行動の多くが急速にインターネット上で完結するようにシフトしてきました。その結果として、インターネット上におけるユーザーの体験に対する注目が大いに高まっています。

本記事では、昨今ビジネスの現場において話題になっているUXというワードと、そのデザインにおける5段階モデルについて解説していきます。

目次

UXデザインとは

はじめに、5段階モデルの説明に移る前に昨今のバズワードである「UXデザイン」について説明します。

UX(User Experience)とは、ユーザーがサービスやシステムを実際に利用する中で得る顧客体験のことで、オンライン・オフラインを問わず顧客体験の全てを指します。

すなわち、UXをデザインするということは、ユーザーに「また体験したい」「いいサービスだった」と思ってもらうために、顧客体験をよりよく設計していくことを意味しています。

UXデザインにおける5段階モデルとは

UXやデザイン思考という概念自体が浸透していなかった2000年台初頭、アメリカのUXデザイナーであるJesse James Garrett 氏が著書『Elements of User Experience』にて、UXの5段階モデル図を紹介しました。

UXの5段階モデルの図では、ユーザー体験を構成する5つの要素が階層として表現されており、各フェーズにおいて検討すべきプロセスを経ることでより良いサービス体験を目指すことができるとされています。

各段階のアウトプットは下に行けば行くほど抽象的で、上に行くほど具体的になっていきます。

こちらは、デザインするプロダクトそのものがコンセプト段階から段々とユーザーの目に触れる形へ具体化していく工程を示しています。

ここで重要なメッセージは、「デザインは一見、ユーザーの目に触れる表層の部分を検討する行動に見えるが、実際にはその土台となる、抽象的な検討を丁寧に行わないといけない」という学びです。

UXデザインにおける5段階モデルの検討プロセス

以下に、UXデザインの5段階モデルの具体的なプロセスについて説明します。

  • 戦略

    「なぜデザイン行うのか?」を検討し、今回のデザインの目的や目標を改めて整理します。

  • 要件

    実際に、前段階で策定した戦略に基づいて「何をしなければいけないか?」といった要件を検討します。

  • 構造

    細部にこだわらず、まずは「概ね、どのような情報構成にするか?」を検討します。

  • 骨格

    実際に、「どのようなレイアウトでユーザーに情報を届けるか?」を検討します。

  • 表層

    最後に「どのようにすればユーザーが心地よく情報を受け取れるか?」を検討し、細部のデザインを固めていきます。

前述のように、これは階層構造になっており①→⑤の順番で進めていくことが求められますが、実際に検討する際は次の階層の検討をしたらまた前の段階に戻って検討をし直す、と言ったように検討の行き来をしながらより良いアウトプットを目指します。

UXデザインの5段階モデル

UXデザインにおける5段階モデルが注目される理由

近年では、主に以下の2つの観点でUXデザインの5段階モデルが注目されるようになっていると考えられます。

  • 時代の豊かさ

    現代は物が溢れる時代と言われるように、ユーザーは自身の生活のためではなく、具体的に自身のニーズを満たす商品を購買するようになっています。ユーザーのニーズを満たすための一つの手段としてユーザーの体験(=UX)にこだわったサービスを構築することに注目がますます集まり、様々な場面で5段階モデルが利用されるようになっています。

  • 競争優位性を築く困難さ

    昨今のIT技術の急速な発展により、多様なサービスが圧倒的に早いスピードで次々と生み出されます。そのような変化の早い市場において、競合に対する優位性を築くための一つの手段としてユーザーの体験(=UX)と5段階モデルへの注目が高まっています。

UXデザインにおける5段階モデルがもたらすメリット / 効果

では、UXの5段階モデルを用いてサービス設計を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?

  • チームとしてのプロジェクト推進が円滑になる

    ビジネス企画からデザイナーといった幅広い職種が協働する中、戦略〜表層まで、各ステークホルダーが重要視したい観点を網羅できているので、検討や合意形成をスムーズに進めることができます。

  • 生産性が上がる

    フレームに当てはめて段階を追って検討することにより、各検討プロセスの差し戻しや再検討が少なくなりプロジェクトの生産性が向上します。

UXデザインにおける5段階モデルを用いる際の注意点

  • 各段階のアウトプットを作ることを目的としない

    プロセスがきっぱりと5段階に分かれているので、各階層のアウトプットをすれば問題ないと考えてしまうことがあります。しかし、実際は前段階の検討が不足していたことに次段階で気づく、と言ったケースも多くあります。あくまで「最適なユーザー体験を構築する」ことを目的に各階層を行き来しながら検討を進めることが重要になります。

  • 中途半端な検討だとむしろ逆効果で成果が出ない

    そもそもユーザーのニーズに詳しくなかったり、戦略段階の検討をおろそかにしたりすると、むしろ中途半端に検討をした内容をもとにサービスがデザインされることになります。検討を並行してユーザーの調査やヒアリングを実施したり、検討は妥協せずに様々な意見を取り入れたりすることでアウトプットレベルを向上することが求められます。

UXデザインにおける5段階モデルを用いた成功事例

最適なUXを検討し、成功している事例として様々なメディアで取り上げられるのが、世界的にも最も有名なEC事業者「Amazon」です。

Amazonの事例からUXデザインの5段階モデルがどのように用いられているかを整理します。

  • 戦略

    従来の店舗における購買よりも、圧倒的に便利で簡単なオンラインの購買の体験を提供したい

  • 要件

    商品を探す・決済するといった面倒な体験をなるべく省略する、あるいは簡易的にする

  • 構造

    頻繁に購入するアイテムをなるべく早く見つけられるようにレコメンドし、決済においても情報入力をなくす画面構成にする

  • 骨格

    TOPページに「再度購入する」の導線をつけて、商品を選択した後にも「1クリックで購入する」のボタンを設置する

  • 表層

    商品情報がわかりやすいように写真をなるべく大きく表示し、ユーザーが操作しやすい配色で主要なボタンを黄色など目立つ色合いにする

実施に、日々利用している我々が目にする部分は表層の部分にはなりますが、その前段階にはAmazonが考える「こういうユーザー体験を提供したい」という背景に基づいた、多くの検討プロセスがあることがわかります。

UXを重視したプロジェクトを推進するためには

自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。

  • 社内 / プロジェクト内のUX人材育成

    社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。

  • 組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙

    社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。

結論 / まとめ

デザインと聞くとどうしても「デザイナーがセンスを持って考えるもの」というイメージが今でもなお一般的です。しかしビジネスを検討する場面においてはセンスや勘に任せるのではなく、根本にある戦略から必要な要件を考えると言ったプロセスを踏まないと、実際の目標を達成するデザインを作ることはできません。

今いちど、自社サービスや、日々自分が触れるサービスについてUXの5段階モデルに沿ってどのようなUX設計がされているかを考えてはいかがでしょうか?

【今すぐにでもデザイン思考を重視したプロジェクトを推進したい場合は】

UXデザインコンサル会社 / Webコンサル会社へ業務を委託するというやり方が考えられます。

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