Webサイトやアプリを改善するには、ユーザーの行動を正しく把握することが重要です。感覚だけでデザインを決めると、思わぬ使いにくさが生じ、期待した成果が得られないことも。
そこで役立つのが「ユーザー行動分析」です。どのページで離脱が多いのか、どのボタンがよく押されているのかをデータで確認すれば、具体的な課題が見えてきます。この記事では、分析方法とUX向上につなげるポイントを解説します。
目次
UI/UXデザインにおけるユーザー行動分析とは
ユーザー行動を分析すると、Webサイトやアプリの課題が明確になり、UX改善につながります。感覚だけでデザインを決めると、意図せず使いにくさが生じ、ユーザーの離脱を招くこともあるでしょう。
たとえば、どのページで離脱が多いのか、どのボタンが押されていないのかをデータで確認すれば、具体的な課題が見えてきます。この記事では、ユーザー行動分析の基本と、それを活用したUX向上の方法を解説します。
ユーザー行動分析が注目される理由
ユーザーにとって本当に使いやすいWebサイトやアプリとは、どのようなものでしょうか?答えは「ユーザー行動分析」にあります。その活用法を解説します。
-
ユーザーの本当の行動を知ることで的確な改善ができる
Webサイトやアプリの設計では、ユーザーの行動を想定して作ることが一般的です。しかし、実際の動きはデザインの意図や予想と異なることが少なくありません。
たとえば、「重要な情報を目立たせたのに読まれていない」「購入ボタンを押しやすい位置に配置したのに途中で離脱されている」といったケースです。
ユーザー行動分析を活用すると、クリック率やスクロールの動き、滞在時間などのデータから、ページのどこが見られているのかがわかります。これにより、実際の行動に合わせた改善が可能です。
-
感覚に頼らず、データで効果を検証
「この色なら目立つはず」「このレイアウトなら直感的に使いやすいはず」といった推測でデザインを決めることは多くあるでしょう。
しかし、本当に効果があるかはデータを見なければわかりません。ユーザー行動分析を活用すれば、どの要素が効果的かを数値で確認できます。
たとえば、A/Bテストで異なるデザインを比較したり、ヒートマップを使って注目されている部分を調べたりすることで、具体的な改善策が見えてきます。データを活用すれば根拠を持った改善が可能になり結果として、UXの向上だけでなく、コンバージョン率や売上の増加にもつながるでしょう。
ユーザー行動分析がもたらすメリット / 効果
サービスの価値を最大化し、成果を高めるには、ユーザーの行動を正しく理解し、最適な体験を設計することが重要です。
-
UXを改善し、満足度を向上させる
ユーザー行動分析を行うと、サイトやアプリのどこが使いにくいのかが明確になります。
たとえば、特定のページで離脱が多い、ボタンの位置が悪くクリックされていない、といった課題が見つかることがあります。これらのデータをもとに導線やデザインを調整すれば、ユーザーがスムーズに目的を達成しやすくなります。さらに、ページの読み込み速度やフォームの入力のしやすさを改善すると、利便性が向上し、満足度の向上につながるでしょう。
その結果、リピーターの増加やブランドへの信頼感も期待できます。
-
コンバージョン率を高め、売上につなげる
UXを改善すると、問い合わせや購入といったコンバージョンの増加が期待できます。たとえば、商品ページで離脱が多い場合、その原因を分析し、ボタンの配置や説明文を調整することで、購入率の向上が見込めます。
また、A/Bテストを活用すれば、異なるデザインやキャッチコピーの効果を比較し、より成果の出る施策を見極めることが可能です。データをもとに継続的な改善を行えば、無駄な施策を減らし、確実に成果を上げられます。
ユーザー行動分析は、単なるデータ収集ではなく、UX改善や売上向上に直結する強力な手法です。データを活用し、根拠のある施策を実施すれば、より高い成果が期待できるでしょう。
ユーザー行動分析をする際の注意点
ユーザー行動分析は課題を明確にし改善を促しますが、誤った解釈は逆効果になるため注意が必要です。
-
データの偏りに気をつける
ユーザー行動分析では、ヒートマップやアクセス解析ツールを使い、クリック率や滞在時間などのデータを収集します。
しかし、得られたデータが常に正しいとは限りません。特定の期間にアクセスが集中する、新規ユーザーとリピーターの行動が異なる、といったケースもあります。
そのため、データを分析するときは、対象や集計期間を慎重に選ぶことが重要です。また、一つの指標だけで判断せず、複数のデータを組み合わせるとより正確な分析ができます。
-
数字だけでなく、ユーザーの意図を考える
数値データだけを見て判断すると、誤った結論を導き出す可能性があります。たとえば、あるページの滞在時間が短いからといって、「内容が不十分」と決めつけるのは早計です。
必要な情報をすぐに見つけ、満足して離脱した可能性もあります。データの背景を考えることが大切です。アンケートやヒアリングをあわせて行うと、ユーザーの意図がより明確になります。行動データと組み合わせて分析することで、より的確な改善ができるでしょう。
ユーザー行動分析を正しく活用すれば、UXの向上や成果改善に役立ちます。しかし、データの解釈を誤ると、的外れな施策につながることもあります。数値だけに頼らず、ユーザー視点を忘れないことが成功のカギです。
UXを重視したプロジェクトを推進するためには
自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。
-
社内 / プロジェクト内のUX人材育成
社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。
-
組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙
社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。
結論 / まとめ
ユーザー行動分析は、Webサイトやアプリの課題を明確にし、UXの向上やコンバージョン率の改善につなげるために欠かせません。データを活用すれば、ユーザーがどこでつまずいているのか、どの要素が効果的なのかを客観的に把握できます。
ただし、データの偏りや数値だけを頼りにした分析には注意が必要です。ユーザーの意図を考え、アンケートやヒアリングなどの調査も組み合わせることで、より実践的な改善策が見えてきます。
感覚ではなく、データに基づいた施策を続けることで、より使いやすいサイトやアプリを提供できます。ユーザー行動分析を正しく活用し、継続的な改善を進めていきましょう。
【今すぐにでもデザイン思考を重視したプロジェクトを推進したい場合は】
UXデザインコンサル会社 / Webコンサル会社へ業務を委託するというやり方が考えられます。
幅広い業種・規模での経験があるUXDoctorでは、経験に基づきUI/UXデザインコンサル会社の選び方を無料公開しております。
UI/UXデザインコンサル会社の選び方を無料公開してます。
どんな基準で、何を見ればいいか分からない方におすすめです。