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ユニバーサルデザインとは?ITサービスにおける活用方法や事例をわかりやすく解説!

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昨今、テクノロジーが絶えず進化することにより人々の生活は大きな変化を遂げています。ひと昔前は存在しなかったプロダクトが世の中に届けられていく中で、多くの人々がITを活用したサービスを利用しています。そのような中で、ますますアクセシビリティや利用者の多様性を重視したサービス設計が重要になっています。

本記事では、近年、ITサービスの業界で注目を集める「ユニバーサルデザイン」というキーワードについて、そのビジネスにおける重要性とあわせて解説していきます。

目次

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザイン(Universal Design)は、製品やサービスをあらゆる人が利用しやすくするためのデザイン方法の一つです。身体的・認知的な制約を持つ人々だけでなく、幅広いユーザーグループにとってアクセス可能で便利なものを提供することを目指しています。近年では様々なITサービスにおいてユニバーサルデザインを導入することの重要性に注目が集まっています。

多岐にわたるユーザーを想定しなければいけないITサービスにおいて、その多様性を理解しユーザー重視のサービスに仕上げていくことは今や不可欠になっていると言えます。

ユニバーサルデザインが注目される理由

近年、主に以下の2つの観点でユニバーサルデザインの活用が注目されるようになっています。

  • テクノロジーの進化による多様なITサービスの誕生

    テクノロジーの進化により多くのITサービスが次から次へと誕生しています。もはやITサービスに触れずに日々を送ることが難しくなった今、高齢者を含めた多くのマイノリティの人々がストレスなく、簡単に使うことができるということが求められるようになってきました

  • ユーザー体験への注目の高まり

    UX(※)という言葉への注目も高まる中、スムーズにかつ心地よくサービスが使われるということはもはやサービスが成立する絶対条件になっていると言っても過言ではありません。誰にでも手が届くサービスを設計することがどの企業にも求められています

※UXとは
UXとは「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略でユーザーが購買サービスの利用を通じて得る体験全体のことを意味します。とりわけITサービスの画面の美しさや使いやすさなどの利用体験だけに焦点を当てて語られることが多いですが、実際はオンライン / オフライン問わずユーザーが得る体験についてはその全てを指します。

UXの重要性に関しては過去の記事「DX推進にはなぜUXが重要なのか」を参照

ユニバーサルデザインがもたらすメリット / 効果

ユニバーサルデザインを活用してサービス開発を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?大きくは以下の2点にまとめることができます。

  • 市場の拡大

    ユニバーサルデザインを活用することで1人でも多くのユーザーにサービスを安心して届けることができるようになります。少しでも多くの場面で多くの人々に自社サービスを使ってもらい市場を拡大させていくためには必要不可欠な要素になります

  • ユーザーのロイヤリティの向上

    多様性を重視する現代において、一部の人にフレンドリーではないサービスに対しての評価はどうしても下がってしまう傾向にあります。自社のユーザーが心地よく、そして他のサービスと比較して好んで利用してもらうためにもユニバーサルデザインを重視することは大切になっています

利用者の裾野を拡大させながら、使ってくれるユーザーのロイヤリティの向上により、サービスが、より多くの人にたくさん使ってもらうことができ、ビジネス観点でも大きな効果を産むことができます。事例については後段で紹介します

ユニバーサルデザインの概念を活用する際の注意点

多くのメリットがあるユニバーサルデザインの活用ですが、以下にあげたような点に注意することが必要です。

  • ユーザーの多様性の理解に時間を使う

    ユニバーサルデザインと聞くと、どうしても当たり前に実施すべき対応を思い浮かべ、紋切り型の改善を案として取り上げてしまいます。しかし、本当は自社サービスのユーザーの声に耳を傾け、どのような人々がどのように使いにくさを感じているかのリサーチに時間をかけてから打ち手となる改善方針を設定することが求められます

  • 継続的なユーザー調査と改善が必要になる

    一度、ユニバーサルデザインの導入を目指して改善をしたからといってそれで終わりにしてはいけません。日々のテクノロジーの進化やユーザー属性の変化などから新たに対応しなくてはいけない内容が次々に生まれてきます。継続的に改善をしていく前提でユーザーの声に耳を傾け、改善施策を実施していくことが求められます

ITサービスにおいてユニバーサルデザインを用いた成功事例

実際に、ユニバーサルデザインを用いることでどういった成功を収めることができるのでしょうか?頻繁に話題に挙げられる例として、あるウェブ会議プラットフォームの事例を紹介します。

  • 背景・課題

    あるIT企業が提供するウェブ会議プラットフォームは、従来は主に一般的なユーザー層に焦点を当てて開発されていました。しかし、ユーザーベースが多様化し、高齢者や障害を持つ人々もプラットフォームを利用したいというニーズが増加してきました。これに伴い、アクセシビリティや使いやすさの向上が求められるようになりました。

  • 実施事項

    アクセシビリティ向上
    プラットフォームの画面読み上げ技術やキーボード操作によるナビゲーションのサポートを強化しました。また、コントラストの向上やフォントサイズの調整など、視覚的なアクセシビリティにも配慮しました。

    ユーザーインターフェースのカスタマイズ
    ユーザーが自身のニーズに合わせてインターフェースをカスタマイズできる機能を追加しました。これにより、視覚障害を持つ人が画面の表示を調整したり、特定の色覚異常を考慮した表示に変更したりすることが可能となりました。

    シンプルな操作性
    インターフェースをシンプルかつ直感的に設計し、初めてのユーザーでも迷わず利用できるようにしました。また、メニューやボタンの配置を工夫し、タッチ操作やマウス操作のしやすさに配慮しました。

  • 成果

    多様なユーザーの利用
    高齢者や障害を持つ人々も、以前よりも利用しやすくなりました。アクセシビリティが向上したことで、誰もがプラットフォームを利用できるようになりました

    ユーザー満足度の向上
    ユーザーが自分に合った方法でプラットフォームを利用できるようになったことから、ユーザー満足度が向上しました。これにより、顧客ロイヤルティの向上に繋がりました

    市場競争力の強化
    アクセシビリティや使いやすさの向上は、競合他社との差別化要因となり、新たなユーザー層の獲得に繋がりました

この事例では、ウェブ会議プラットフォームにおいてユニバーサルデザインを導入することで、多様なユーザーに対するアクセシビリティと使いやすさを向上させることに成功しました。

UXを重視したプロジェクトを推進するためには

自社でUXを重視した事業開発プロジェクトを推進するためには、以下に示すような中長期的な施策をおこなっていく必要があります。

  • 社内 / プロジェクト内のUX人材育成

    社内において、実際にUXを重視したコンセプト設計や検討をおこなう人材が不足している場合は、どうしてもプロジェクトの推進力が落ちてしまいます。人材の育成は短期的に行うことが難しいので、中長期的な目線での人材投資 / 機会創出が求められます。

  • 組織全体のデザイン思考の重要性の啓蒙

    社内やプロジェクト内においてユーザー体験が軽視されていると、あらゆる場面において各所の協力を得ることができずプロジェクトが進まなかったり、最悪の場合は頓挫してしまうことも考えられます。

結論 / まとめ

ユニバーサルデザインは、単なるアクセシビリティ向上だけでなく、より広範なユーザーグループに価値を提供するための鍵になります。ユーザーの多様性を尊重し、使いやすさを追求することで、より多くの人に心地よく使われるサービスになっていくことを解説しました。この機会に、自社のサービスがユニバーサルデザインの観点でどのようなことができるのか、いま一度考えてみてはいかがでしょうか?

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